人の美しさとは、内面からにじみ出る様に現れるモノである。
だから、作られた世界。
芸能界だとしても、美しさは伝わってくるのである。
一糸まとわぬ姿でも、いっぱい着飾っても、美しいものは美しい。
うちの隣の農家から、美しい野菜を頂いた。
自宅用の野菜だ。
だから、大根だって、綺麗じゃない。
でも、これこそが本来の美しい野菜であり、美味しい野菜なのだ。
本物の大根ならば、通年食べるモノにしたい。
そう、寒風干し…
遠州のからっ風が、切り干し大根をさらに美味しくしてくれる。
自分の家で仕込んだ味噌。
この地には、麹屋というお店がいまだにある。
そーいう環境こそ、大事だと僕は思う。
晩酌のお供も、これまた、その辺にあるものを適当に調理した。
アイデアは全てレモンセンセに頂いた。
オリーブオイルは、チュニジアだ。
オリーブオイルを考える。
どこで栽培され、どこで加工され、こういう経緯で日本に持ち込まれたか…
適正価格はいくらだ。
どのサイズが日本の食生活に好ましいのか?
食にこだわると、さまざまな調味料にこだわる人が多い。
しかし、それは本質から外れてしまう。
調味料、香辛料というものは、素材がよければ、それほど必要ないのだ。
僕は、今回オリーブオイルを用いたが、それはタスマニアビーフだったからだ。
地元の遠州夢咲牛の時は、牛脂があるから、オリーブオイルは用いない。
タスマニアビーフを塩コショウを振る。オイルを纏わす。
これも鉄板で作業すれば、鉄板に油を引く手間が省けるし、洗いものも減る。
いったん肉をよけ、鉄板を加熱して肉表面を焼き付ける。
そして、あとは、オーブン 中火10分 余熱10分
それだけでローストビーフは出来上がる。
まったく同じことが鮪でも言える。
表面を焼き、醤油に漬ける。
鮪のハラモの漬け完成だ。
美味しい料理を見た時に、良く聞く言葉。目にする言葉。
レシピを教えてください。
これほどバカらしい言葉はない。
なぜならば、素材が変われば、レシピは変わる。
癖のない素材であるならば、香辛料は必要ない。
癖のない素材であるならば、香辛料はホンの少しで十分だ。
癖のない素材であるならば、調味料もしかり…
僕の、常々そう思う。
僕の行きつけのお店
『一糸乱れぬ売場』
レモンセンセの売場がある。
いつ行っても、何かを教えてくれる。
そんな売場に、素敵な男性がいた。
背格好は小さい。
色はやや黒い。
インド人?
ちょっとお話ししてみた。
日本語ペラペラだ。
おっ!?電話きた…
綺麗な英語だ。
まあ、くだらない会話をした。
なぜ、こんなに安いのかと彼に聞かれた。
100円のカップ麺を彼は指差した。
あー、このレモンセンセは、他の店と違い、毎日が100円だから…
他のお店は、今日は安い、明日は違う値段。
そんな感じかな?
あとは、新聞折り込みやTVCMとか余計なお金をかけていない。
お店見ても、人はいないでしょ?
そう彼に話したら、日本はすごいと言っていた。
僕にいわせりゃ、どう見ても最低3国語を話す彼の方が凄い。
顔立ちから、インド系だとは解った。
でも、一つ疑問がある。
けっこう、インド系の人は、裏面表記にうるさいのだ。
何が入っているか気にする。
最期にちょっと聞いてみた。
どこから来たの?
『ネパールです』
ほーーー♪
全てが、解ってしまった。
背格好は小さい。
着ているスーツはすごくオシャレ。
間違いなくエリートだ。
歩き方は体軸がきちんととれていて、店を眺める視野は広い。
そう、彼は、きっと『グルカ兵』だ。
農村部の平均年収が3万5万の国の人が、
日本の100円を安いと言う。
エリートであることは間違いない。
それよりも、あの引き締まった体。
そして、ストレートな瞳。
惹きこまれる男性だった。
名刺交換もしないし、たまたま居合わせた人にすぎない。
でも、これからは彼のような人も、僕の住んでる田舎にやってくる。
中国、ベトナム、末端農村部の若い労働者。
ブラジル系の女性や男性、中年の労働者。
ヨーロッパのみならず、アジアのエリート。
日本の田舎ですら、さまざまな人が暮らす時代になってしまった。
今一度、自分磨きをしないと、
ホントに生き残れないし、喰いっぱぐれてしまうと反省した。
グルカ兵の彼には、多くを教えて頂いた。
その出会いをくれた、レモンセンセにも感謝だ♪
グルカ兵…
そう…
『牛を守る者』
ローストビーフは実に美味しかった♪