売るチカラについて話そうと思う
僕は一番初めに小売業にいた
そこで原始的な商売をやっていた
モノを仕入れて売る
仕入れて売り
売って仕入れること
その繰り返しだった
その次に問屋に入った
茶業界でいう問屋とは製造業でもある
荒茶を仕入れてお茶をつくる
メーカーであり問屋になる
特殊な世界なのかもしれない
お茶屋をやめて小売業に入った
どこの世界でも『売る』ことを常に考えていた
いま茶業界は転換期にきている
いままでは小売店が頑張っていた
商店街にある小さなお茶屋さんがお茶を売ってくれていた
商店街の崩壊
そして産直という時代の変化
ここで茶問屋が直販に乗り出した
いまはもうその直販もチカラを失いつつある
大切なことは伝えること
そして消費者にまた市場に求められるものをつくることだ
生産者が販売をすること
これほど難しい事はない
そもそも生産から販売まで一貫でできれば販売店も販売士も必要ない
問屋のありかた
生産家:製造者の在り方が問われる時代になった
売上を確保しなければならない
作り手が売るとなればどの金額でどれだけの数量をつくるのか?
そこが問題になってくる
良品を作り全量買い上げしてもらうこと
これが最良の選択だ
僕が問屋の時代に幅広く営業をかけていた
それには活動できるだけの売上を確保していたからだ
葬儀ギフトの確保
まずここで活動費を確保した
利益を確定しなければ行動するお金が足りない
飲食店の粉茶導入
ここでさらに利益を出し安定的に売上を確保した
この販売があってはじめてスーパーを開拓することができた
大資本の会社を敵に廻して営業をかけることは難しい
これを知らないコンサルタントはお茶の関係者に平気で理想を語る
販売の基本は対面販売だ
そして問屋の基本は売手を見つけることだ
売り手を育てることこそが最大売上が見込めるただ一つの道だ
農家であるのならば高価格帯のお茶を作り売り抜くこと
ここが全てだ
それができているのが愛知県の西尾だろう
抹茶や玉露で有名な産地だ
茶園はいい
じゃあ我が街の牧之原は何をやっているのだろうか?
現実を直視できない者が多過ぎる
生産と言う仕事が大変なように
販売と言う仕事も大変なのだ
そのことをすっ飛ばす人が多い
目先に小銭が入ると人は変ってしまう
その商売では長く続くことはないだろう
今日ひさしぶりに以前の職場の専務に会った
ひとことふたこと話した
やっぱりあの会社でもう少しやるべきだったとも思った
しかし独立は勢いでもある
あの会社で試したかったことはさらなる大きな数字というだけのこと
伸びる数字と伸び悩むメカニズム
そして落ちる数字を知る者は…
やはりやってきた張本人しか知らないものだと解った
多くの創業者たちに教わったことがいま確実に活きている