母が醤油が変わると味付けが変わっちゃうよ〜。自信がないよ〜。と言う。
母は昔から農協の醤油を使っている。田舎の醤油には砂糖や調味料が初めから入っている。
山間地の醤油に未だにサッカリンが入っていたのを見て、昭和だなぁと感心してしまった。
九州の醤油ほど甘くないが砂糖や甘味料が入っている醤油はけっこうあるものなのです。
これは2つの点から砂糖を加える理由が考えられる。
1つは醤油1本で味を決めることが多い地域で愛された醤油。
もう1つは、旨味を足す意味で砂糖を入れている点だ。
長期熟成の木桶醤油に慣れてから、大手の醤油を使うと気が付くものだが、
醤油味の中に旨味が足りないものが多い。
醤油に塩水でも足してないか?と思えるほど、旨味が足りないものなのです。
とは言え、醤油は直接飲むわけではないから、
料理をする人は味付けの段階で自然に調整してしまうわけなのです。
逆に使い慣れた地域に根付く醤油なら、醤油1本で味がある程度決まるものなのです。
昭和50年代、多くの醤油蔵が廃業した時期があります。
それぞれの蔵に地域で愛された醤油があり、
商品名やラベルなど、この醤油じゃなきゃダメだと言う味わいがあります。
その蔵の味を、隣の醤油蔵が引き継いだ例は案外あるものなのです。
丸大豆は素晴らしい、裏面を見ましょう。これは素晴らしい本物の醤油です。
その様に醤油を選ぶ人たちがいるのも理解できるのですが、
いま現在、醤油蔵として仕事をしている方々は、
それぞれにこだわりがあり、お客様が付いていて事業継続しています。
本物の醤油、偽物の醤油と言う視点ではなく、自分に合う醤油を探してみませんか?
この視点を落とし込む為に【茶を通し食を知る】では、醤油を比べてみる機会を設けています。
また醤油そのままでは分かりにくいため、出汁を使って、
味の違い、香りの違いを感じてもらい、昆布と醤油の相性についても話しております。
お茶でも飲みながら、楽しく気楽に学びませんか?
いつもこの感覚で醤油の違いを話しております。